いじめゼロを目指して

生ある限り、全てが試練

今、いじめを受けて苦しみの最中にいるあなたに、送りたい言葉があります。
それは、ニーチェ(Friedrich Nietzsche)という
19世紀ドイツの哲学者が残した言葉です。

 

「That which does not kill us makes us stronger」
(『偶像のたそがれ』より)

 

直訳すると、「あなたを殺さないものは、あなたを強くする」。
もう少し分かりやすく言うと、
「我が意思を殺すようなこと無く生きること、己を強靭にするものなり」
「生ある限り、全てが試練だ」
…ということです。

 

ニーチェは、「苦しみの中で、私たちがどうやって生きていけば良いのか」
…という誰もが抱く疑問に対して、
非常にストレートなヒントをくれた哲学者です。

 

哲学というと、
「本を読んでもさっぱり理解できない」
「一般人には理解できない理屈を並べているだけ」
…という印象を持っている方も多いかもしれませんが、
ニーチェの哲学は“生きる”ことを真摯に問う内容であるため、ファンも多いんです。

 

ニーチェ自身が抱えていた“生きることの苦しみ”、
そして、苦悶する人間に対しての“励まし”のようなものがにじみ出ているからこそ
ニーチェの哲学は世代を超えて支持されているのでしょう。

 

いじめられている人にとっても、いじめている人にとっても、
人生は辛く試練に満ちたもの。
ニーチェ哲学に触れれば、あなたが抱えているその“生きにくさ”が
少しは軽く感じられるようになるかもしれませんよ。

 

参考:『座右のニーチェ』 (光文社新書)/齋藤孝

「ルサンチマン」にとりつかれていませんか?

ニーチェ哲学の根幹を成す考え方の一つに、「ルサンチマン」があります。
フランス語ですが、和訳すると「ねたみ」とか「うらみ」といった意味を持つ言葉。

 

例えば、

 

「なんで自分は勉強ができないんだろう」
「なんで自分のルックスはこんなんなんだろう」
「なんで自分だけいじめのターゲットにされてしまうんだろう」
「なんでアイツだけ良い思いをしているんだろう」

 

…自分自身が置かれた境遇を恨むようなこうした思いを抱えていると、
人は腐ってしまうとニーチェは言います。

 

そうではなく、そのルサンチマンを一歩乗り越えて、
「じゃあ、その“恵まれない”境遇の中で自分はどう生きていけば良いのか」
「どうすれば人生が楽しくなるのか」

 

自分から積極的に人生を変えていこうとする前向きな姿勢を持つことが、
結果的には人生をよりよい方向へ変えていく。
筆者流に言いかえれば、
「状況に流されるのではなく、自分で流れを創っていく」
ような、…そんな“創造的”な生き方を提案してくれたのがニーチェなのです。

 

他者に対していじめ行為をしてしまう人も、いじめのターゲットになっている人も、
まずは自分自身の置かれた状況を“恨む”のではなく“受け入れて”みませんか。
どうあがいても、あなたに残されているのは“今の自分”から出発する道だけ。
今の自分を否定するばかりでは、何も変わりません。

 

どんな人も、「自分」から逃げることはできないのです。

自分の人生を肯定する

ルサンチマンを受け入れて、自分自身の人生を肯定すること。
言葉にすると簡単ですが、実際には非常に難しいことですよね。

 

いじめられている自分、あるいは親に虐待されている自分の境遇を
「YES!OK!楽しい♪」
…なんて楽しむことができるのだとしたら、その人は相当なマゾです。。
誰だって、自分が置かれた状況を呪いたくなりますし、
復讐を考えたりしてしまうはずです。

 

しかし、ニーチェは、その状況を受け入れるべきだと言っています。
さらに、その状況を“仕方なく”受け入れるのではなく、
自ら“欲した”のだと。
「自分はこの人生“が”いいのだ、何度生まれ変わってもこの人生と繰り返したい」
…そう思えるレベルに達することが理想なのだと…。

 

その背景にあるのは、全ての物事はつながっていて、
マイナスな要素はプラスの要素を作り出すきっかけにもなっているし、
逆もまた然り…という考え方です。

 

いじめに当てはめてみると、“いじめ”という状況は確かに辛いけれど、
それを乗り越えることで得られるものもあるわけですし、
その体験がなければ見えてこなかったこともある。

 

将来的に、その体験をバネに活躍できるかもしれないし、
それによって素敵な人と出会えるかもしれない。

 

一見マイナスな要素にも、悦びを作り出す“芽”が隠されているんだよ…
ということになるかと思います。
「全てのことは、必然」とも言えるでしょう。

 

辛い状況のただ中にいる時にはちょっとシビアな思想かもしれませんが、
そういう考え方があるということを心の片隅に置いておくと良いでしょう。

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