いじめゼロを目指して

食生活がいじめの発生に与える影響

生きていくためには、“食べる”ことは当たり前のこと。
とにかく、食べて栄養を補給しないことには、
私たちは身体を動かすことも、ものを考えることもできません。

 

しかし、ただ「食べる」だけで良いのでしょうか?
食べる素材、味付け、食事の環境、食事の時間…
全てひっくるめた「食生活」というものを、私たち現代人は
少しないがしろにし過ぎているように思えてなりません。

 

というのも、この「食生活」の在り方が
子供たちの“心”にも大きな影響を与えていることが指摘されているからです。

 

例えば、私たちの身の回りに有り余るほどあふれている
ジュースやスナック菓子、インスタント食品。
お手軽にカロリーを摂取できますし、口当たりも良いので
ついつい頼ってしまいがちですが…。

 

これらの食品には血糖値の急激な上下動を起こす作用があり、
情緒不安定の原因になると言われています。
(もちろん、糖尿病発症のリスクも無視できません!)
情緒が安定しない子供は、些細なことでキレやすく、
それがいじめ行為につながっている可能性も否定できないのです。

 

「食は命なり」
という言葉の重みを改めて受け止めて、
自らの食生活を振り返ってみていただきたいと思います。

今こそ、「食育」を大切にすべき時!

「簡単・便利に食べられること」が最優先されている現代人の食生活。
女性も、外へ出て男性と肩を並べて働く時代ですから、
「お味噌汁は鰹節からダシを取って…」なんて手間をかけるのは
時代遅れだということは誰もが分かっていることでしょう。

 

インスタントだって、お惣菜キットだって、
「家に帰って何か準備しよう」という気持ちがあるだけ立派です!

 

しかし、子供たちの“心”の成長・健康を考慮すれば、
「手軽で簡単、美味しい」だけの食生活には赤信号が点灯します。

 

まず、一番の問題は、私たちの食生活が過度に欧米化されていること。
もともと農耕民族だった日本人は、そもそも身体が肉食に慣れていません。
欧米人に比べて腸の長さが平均して約5mも長いので、
消化の過程で肉が腐敗しやすいのです。

 

その結果、腸管で腐敗した物質の悪臭は、
肝臓をはじめとする内臓にも大きなダメージを与えることになります。
肝臓には、体内に入った有害な物質を無毒する働きがありますので、
この解毒機能がフル活動となると肝臓は疲れ切ってしまいます。
これが、いわゆる「キレる」「イラっとする」の原因になっているという説もあります。

 

また、1年中いつでも好きな物を食べられるようになったことで、
私たちは「旬を大切にする」という感覚を忘れているようです。
旬の野菜の栄養価は、
ビニール栽培の野菜とは比較にならないほど高いものなので、
本来は「旬の野菜を旬の季節に」食べるのが正常な食生活。

 

しかし、これができていないために、
現代人はミネラルやビタミン類が常に不足しがちです。
結果として、キレやすい・カッとなりやすい子供が増え、
間接的にいじめを増加させる要因になっているとも考えられるのです。

食事は貴重なコミュニケーションの場

食生活で大切なのは、“何を食べるか?”ということばかりではありません。
いつ、誰と、どんな雰囲気で食べるかということも非常に重要。
全てをひっくるめて「食生活」というのです。

 

経済状況が停滞している昨今は、
「共働きでなければとても暮らしていけない」という家庭がほとんどでしょうし、
「子育てだけで人生を終えたくない!」
…と自己実現を目的に働きに出ている女性も多いです。
家族みんなで団欒しながら夕食を摂るというのは、
非常に難しいことかもしれません。

 

しかし、それでも、できれば子供一人で食事を摂る「孤食」は避けるべき。
夕食の時に、学校であった話を聞いてあげたり、
人間関係の悩みを聞いてあげたり、
逆に、会社であったことを話したり…。
1日数分でも、こうしたコミュニケーションの積み重ねは、
親子間の信頼関係を確実に強くしていくものです。

 

日頃から、「子供が親になんでも相談しやすい関係」を築いていれば、
もしいじめ問題が発生した場合でも、早期に“異変”に気付くことができます。
身近な“食生活”を大切にして、いじめ対策につなげていきましょう!

 

 

参考:
『姿かたちによる病の診断1.2巻』
山村喜博(やまむらよしひろ)/日本医療情報サービス顧問
生活習慣病予防学術委員会理事

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