いじめゼロを目指して

“セカンドステップ”という教育プログラム

いじめの加害者になる子供たちの中には、
自分の中に生まれた衝動的な攻撃性を
どうしてもコントロールできない子も多いものです。
その結果、些細なことでキレたり、いじめ行為を行ってしまったり。

 

そのような攻撃性を緩和するためには、どのような教育を行えば良いのでしょう。

 

こうした子供たちの教育プログラムとして注目されているのが、
1980年代にアメリカで開発された
「セカンドプログラム」という教育プログラムです。

 

世界的には、欧米を中心として多くの国々ですでに導入されているのだとか。
日本では、NPO法人である
「日本こどものための委員会」が実施の権利を持っており、
プログラムを実施するためには
このNPOが実施する研修会を受講する必要があります。

 

実際の教育現場にはまだ普及していないようですが、
例えば、一部の少年院ではすでに採用されています。

 

具体的な内容としては、例えば、人物の写真を見てそこから表情をくみ取ったり、
共感したりといった練習を重ねていきます。
その人物はどんな気持ちなのか、どんな言葉をかけてあげれば良いのか。
どんな風に話しかければ、相手は心を開いてくれるのか。
いくつかの場面を設定し、
「こういう時はこうすれば良い」という対人スキルを学びます。

 

少年院に入所する子供の中には、自らの攻撃性を抑えられなかったり、
対人関係が不慣れだったりする子供が多いため、
こうしたプログラムを重ねることで衝動的な攻撃性を緩和し、
人との接し方を学んでいくことが必要なのです。

 

同様に、いじめの加害者についても、
このようなプログラムが有効なのではないでしょうか。

 

参考: 読売新聞 2013年1月10日 朝刊 「教育ルネサンス 立ち直るあした 3」

“瞑想”のススメ

私たちは普段、自分の身体が感じていること、心の中に浮かんでいることに
あまりにも無頓着です。

 

本当は痛いのに、平気なフリをしていたり、
本当は嫌なのに無理をして好きなフリをしていたり、
攻撃性を無理に抑え込んで笑っていたり…。

 

時には、自覚さえできない自分の感情に振り回されて、
何の関係もない人に対して攻撃性を向けてしまうこともあるでしょう。
その最たる例が、いじめなのかもしれません。

 

自分でも理解できない“攻撃性”を緩和するためには、
まずは自分自身の内面とじっくり向き合う必要があるでしょう。

 

そこでおススメしたいのが、瞑想です。
筆者が通っているヨガスクールでも、必ずこの“瞑想”の時間がありますが、
最近は少年院などの更生施設でも取り入れられているようですね。

 

方法は、簡単です。

 

@呼吸に集中する
まず、目を閉じて。全身の力を抜いてリラックスします。
そして、自分の呼吸に集中します。
普段は、息を吸ったり・吐いたりを意識することはほとんどないので、
改めてやってみると、自分の呼吸のリズムを再確認できて新鮮ですし、
だんだん外の世界が遠くなって、意識が内面に入っていくのを実感できます。

 

A身体の感覚を観察する
じっと呼吸を続けていると、身体のどこかが痒くなったり、
冷えてきたり、逆に温かくなったりします。
その時は、ただだまって、その感覚を観察していましょう。
徐々に、色んな“感情”が湧いてくるのも実感できると思います。
怒り、攻撃性、不安、喜び…
ただじっと、その感情を観察してみてください。

 

B幸せを願う
攻撃性や苦しみといったネガティブな感情も湧いているかもしれません。
今度は、そういった感情が雲のように昇華して消えていく様子を想像します。
そして、自分幸せや大切な“誰か”の幸せを願ってみましょう。
幸せを願うのが難しいなら、その人たちが笑っている様子を想像します。

 

 

…この瞑想を繰り返すことで、攻撃性や苦しみは確実に緩和します。
筆者も、仕事の悩みやストレスで精神的にパニックになっていた時期があり、
そんな時にヨガと瞑想を始めました。

 

最初は、「常にネガティブな思考に囚われている自分」に愕然としましたが、
この瞑想を繰り返していく中で、
嫌いな上司に対する攻撃性も自然と緩和していきましたし、
自分のマイナスな面も受け入れることができるようになりましたよ◎

 

参考: 読売新聞 2013年1月10日 朝刊 「教育ルネサンス 立ち直るあした 6」

それぞれの効果はいかに?

攻撃性を緩和し、人との円満な付き合い方を学んでいく「セカンドステップ」。
この教育プログラムをすでに導入している帯広少年院では、

 

「性格が合わずによく衝突していた二人が互いを思いやれるようになった」
「相手に感謝の気持ちを持てるようになった」

 

…といったプラスの変化が見られたのだとか。
対人関係の中で「空気を読む」というスキルが身に着いたことにより、
自らの中の攻撃性を緩和できるようになったようです。

 

一方、瞑想プログラムを実施している女子少年院・筑紫少女苑(福岡市)でも、

 

「人の幸せを願うことで気持ちが穏やかになった」
「気持ちに余裕が出てきた」

 

…などの前向きな効果が確認されているようです。

 

攻撃性を緩和するという目的のみならず、
自分の内面を客観的に見つめ直す、気持ちを切り替えるという意味でも、
いじめ加害者に対するプログラムとしても瞑想は有効だと考えられます。

 

今後、教育現場でも導入されることを期待しています!

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