いじめゼロを目指して

「割れ窓理論」とは?

みなさんは、故意に窓を割った経験はあるでしょうか?

 

筆者は、高校生の頃に1度だけ、自宅の窓を叩き割ったことがあります。
…と言っても、決して暴力的な意味ではなく(笑)。
暖房が原因で一酸化炭素中毒になりかけて、
命の危険を感じたので窓を叩き割って外に逃げたのです。

 

しかし、あの瞬間に感じた、
それまで感じたことがない爽快感は今でも忘れられません。
自分の中に潜んでいる、
自分でも気づいていない攻撃性のようなものが解放されたような…。

 

あの攻撃性が間違った形で発散されていたら、
もしかしたら私も、いじめの加害者になっていたかもしれません。

 

この“割れた窓”つながりで、
「割れ窓理論」という理論があるのをご存知でしょうか?

 

これは、ニューヨークで生まれた理論。
窓ガラスが割れた状態のまま放置しておくと、
次第にその建物には落書きや不法投棄が増え、建物自体が荒らされていき…
周囲の治安も悪くなり、
やがては凶悪犯罪の温床になってしまうという現象を示した理論です。

 

何が言いたいかというと、
「軽微な犯罪を放置しておくと、それはやがて、大きな犯罪につながるよ」
…ということです。

 

実はこれはいじめ問題にも当てはまること。
小さな嫌がらせ行為や陰口を、教師や親が見て見ぬフリをして
何ら具体的な対策を取らずに放置していると、
そのいじめはどんどんエスカレートしていきます。

 

その結果が、最近増えている、
「いじめを苦にした自殺」という痛ましい最後なのです。

「割れ窓理論」に似た法則

小さな犯罪を放置することは、結果として凶悪事件を呼び込むことにもつながります。
「窓が割られた時点ですぐに何らかの対策を取っていれば…」
と後悔しても後の祭り。
殺人事件や自殺で失われた命は永遠に帰ってこないのです。

 

この「割れ窓理論」と似た理論として、
「ハインリッヒの法則」という法則も有名です。

 

1件の重大事故の背景には29の軽微な事故があり、
さらにその背景には300もの“異常”が隠れている

 

企業の製造工程でもよく教えられる理論ですので、
ビジネスマンの方にはおなじみの理論かもしれませんね。
(例:「1件の労働災害の背景には、
見過ごされたヒヤリハットが膨大に存在している」)

 

いじめ問題も同じことで、1件の重大ないじめ事案の背景には、
いくつもの些細ないじめ行為が潜んでいると考えられます。

 

些細ないじめ行為とは、例えば、ちょっとした“からかい”や悪口、
嫌がらせ、仲間外れ、物を取ったり隠したり…等。

 

暴力沙汰にでもならない限り、
「子供同士の間ではよくあること」と流してしまいがちですが、
こうした小さないじめの積み重ねが、
悪質な事件にエスカレートすると言っても過言ではありません。

「割れ窓理論」をいじめ対策に生かす

「割れ窓理論」にしても、「ハインリッヒの法則」にしても、
そこから得られる教訓はほぼ同じ。
要するに、

 

「小さな問題を放置せずにすぐに対策を講ずる努力こそが、
悪しき事件を消滅させることにつながる」

 

…ということでしょう。

 

いじめについても、ごく最初に見られる些細なイザコザの段階で、
それに気付いた大人が断固とした措置を取ることが大切なのです。

 

軽微な罪でも犯人に裁判を受けさせるというニューヨークの方針のように、
いつでも大人たちの目が光っているんだということを、
子供たちに自覚させることが必要です。

 

「見張る」…というと語弊がありますが、いじめに関しては
そのくらいやらなければ問題は根絶しないのではないでしょうか。

 

そもそも、いじめは傷害罪というれっきとした“犯罪”なのです。
その犯罪を見逃すということは、共犯者も同然です!

関連ページ