いじめゼロを目指して

海外でのいじめの特徴

日本では、いじめを苦にした自殺が深刻な社会問題となっていますが、
いじめはなにも日本に限った問題ではありません。
集団があれば、必ずといっていいほど、そこにはいじめが発生します。

 

では、海外でのいじめの現状はどうなっているのでしょう?

 

欧米のいじめは、暴力的な攻撃がメインなのだとか。
この点、仲間外れや無視といった精神的いじめが多い日本とは対照的ですね。

 

さらに、欧米では、家庭環境に問題があったり、精神的に不安定だったり…と
何か他の子とは違う“問題”を抱えている子供がターゲットになりやすいといいます。

 

これに対して日本では、どんな子どもでも被害者になり得ます。

 

一説によれば、子供を“自立できる子に育てること”に重きを置くか、
はたまた“子供を甘えさせてあげる親になること”を大切にするか。
母親の子育てに対するスタンスの違いが、
欧米諸国と日本のいじめの在り方に繋がっているのではないか?
とも指摘されています。

 

確かに、周りに同調して“和”を乱さないことを良しとして育てられる日本では、
「自分を主張すること」「自立するための“個”を身につけること」は
あまり重視されてきませんでしたよね(少なくとも一昔前までは)。

 

そういった教育方針、教育プログラムの違いも、
各国のいじめの特徴に多分に影響を与えていると考えられます。

いじめ防止プログラム「KiVa」とは?

海外諸国の中で、いじめ対策の推進国として知られている国といえばフィンランド。

 

とはいえ、そんないじめ対策先進国でも、1990年代には
今の日本と同様にいじめによる深刻な事件や自殺問題などが相次いでいたようです。

 

そこで政府が2009年から統一的ないじめ防止プログラムとして導入したのが、
「KiVa(キバ)」というプログラム。
トゥルク大学のクリスティナ・サルミバリ教授が
政府の依頼を受けて開発したいじめ防止プログラムで

 

・いじめについて授業形式で学ぶ「KiVaレッスン」
・コンピューターゲーム形式の「KiVaゲーム」
…の2つで構成されており小学校1年、4年、中学1年向けの
全3種類が用意されています。

 

防止プログラムの具体的な内容は次の通りです。

 

★KiVaレッスン
90分/回の授業を月に1回、年間合計10回行います。内容としては、
「仲間意識からくる心理的圧力」「尊敬の念」などの“感情”に焦点を当て、
いじめを防止するために自分がどう行動すべきかを学んでいきます。

 

★KiVaゲーム
実際にいじめが発生したことを想定し、
その時の対処法をゲームを通じて学んでいきます。
(例:傍観者にならない方法 など)

 

 

このいじめ防止プログラム、現在のところ、確実な効果を上げているのだとか!
プログラムを導入して9カ月後のいじめ被害報告件数が
導入していない学校と比較して約2割も低かったそうです。
また、生徒の不安感や抑うつ傾向も有意に低く、
子供たちのココロにもプラスの効果をもたらしていることが伺えます。

 

読売新聞 「教育ルネサンス いじめと向き合う 17」 2012年11月16日朝刊

 

徳島県で実施している 「いじめ予防教育」とは?

さてさて、遠い北欧の国のいじめ防止プログラムをご紹介したところで…。

 

実は、我が日本でも、いじめ予防教育プログラムを実施している自治体があるのです。
それは、徳島県。鳴門教育大学が開発した「予防教育プログラム」を、
県内30校の小中学校で試験的に実施しており、
この取り組みはNHKの情報番組でも紹介されました。

 

この予防プログラムが目標にしているのは、次の4つです。

 

・自分自身への自信を育てる
・自分や他者の感情を理解する
・感情への対処法を学ぶ
・社会生活に欠かせない対人能力(ソーシャルスキル)を育成する

 

例えば、“友達の良いところ”を見つけて発表させることで、
お互いの“自信”を育てたり、
“怒りの感情が生まれた時にどうやって鎮めているか”をお互いに発表し合うことで
感情のコントロール方法を学んだり。

 

こうした教育プログラム導入については、
日本国内では具体的な取り組みがスタートしたばかりという段階。

 

フィンランドのように確実な成果が確認できるまで、
今後は、効果についての検証や改良を繰り返していくことになりそうです。

 

ぜひ、全国の教育現場で標準化できるまでに
バージョンアップして欲しいところですね!

関連ページ