いじめゼロを目指して

ピア・サポート=思いやり

いじめを予防するための対策として、
「ピア・サポート活動」を展開している学校もあります。

 

ピア・サポート活動とは、
「Peer=仲間、友達」+「Support=助ける」活動のこと。
わかりやすい言葉に直すと、「思いやり活動」というわけです。

 

そこに他者への“思いやり”がなければ、仲間を助けることはできないでしょう。
しかし、人を思いやるためには、
“自分も思いやられている”という実感が必要不可欠です。

 

なぜなら、思いやるという行為は、心に余裕がなければできないものだからです。
自分が“認められている”という実感を持てず、愛を実感できず、
常に満たされないココロを抱えている人が、
果たして自分のこと以上に相手を思いやることができるでしょうか?

 

「思いやり」と言うのは簡単ですが、
人を思いやるのはそれほど簡単なことではありません。
そこに、ピア・サポート活動の難しさがあると言っても過言ではないでしょう。

 

ピア・サポート活動を推進するために、
ポスターを掲示したり標語を募集したり…
といった取組をしている学校もありますが、
そういった広報活動、パフォーマンスだけで思いやり行動を促進するには
やはり限界があると言わざるを得ないでしょう。

思いやり行動を学ぶには?

ピア・サポート活動の根底にある「思いやり」。
究極的には“他者に利益をもたらす”ための行動である思いやり行動ですが、
私たちは一体、どうやってこのスキルを身につけているのでしょうか。

 

そこには、自分以外の“誰か”との関わり合いが必要不可欠。
誰かに何かをしてもらって嬉しかった体験、
心配されたり、気遣いをしてもらってココロがほっこりしたという体験、
自分がやったことで誰かが笑顔になったという成功体験…。

 

他者とのこうした“心の触れ合い”こそが、
子供たちの思いやりを育む糧となります。
「思いやりとはこういうものですよ」と、
教科書的に教え込まれるわけではないのです。

 

ゆえに、ピア・サポート活動を推進する上でも、
クラスメイト同士、同級生同士、先輩・後輩同士、生徒と教師…と、
他者との関わりを大切にすることが最も大切!

 

子供たちは、教師や友達の行動の中から対人スキルを盗み、学んでいくのです。

 

KJQを使ったいじめ予防

いじめ関連の書籍でたまに見かけるのが、この「KJQ」というキーワード。
これは、「精神的充足・社会適応力評価尺度」という心理テストの一種です。

 

57項目ある質問に対する回答を自己採点し、
自分のココロについて理解するための一つのツールとして用います。

 

このKJQを使えば、教師側としては
子供たち一人一人のココロの充足状態や社会的能力を把握することが可能。
ピアサポート活動の目的である“思いやり”の力をどれだけ獲得できているかも、
このKJQでだいだい把握することができるようです。
いじめの早期発見にも一役買っているようで、
現場でも注目されている心理テストの一種です。

 

※KJQ:
早稲田大学人間科学学術院の菅野純先生と
現場の教師が共同で開発した心理教育教材。
「回答して→採点して終わり」ではなく、
その結果を踏まえて教職員の間で研修会などを開催することで、
より深い生徒理解へとつなげていきます。

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