いじめゼロを目指して

もやもやの原因はどこにある?

今、誰かを“いじめている”という自覚があるあなたは、
「毎日が100%充実している!」と言い切れるでしょうか?

 

学校も塾も家庭生活も、毎日楽しくて仕方がない。
…そんな人はほんの一握りでしょうし、そういう人は他人をいじめたりしません。
精神的に満たされている人は、他人に攻撃性を向けたりはしないのです。
自分以外の人間に攻撃性を向けてしまうということは、すなわち、
心の中になんらかの“もやもや”を抱えている状況の表れではないでしょうか。

 

その“もやもや”は、人によって様々だと思います。
例えば、学校や自宅で居場所がない。
「自分が認められている」「自分が必要とされている」という実感がない。
…このような場合は、
不満や不安、苛立ち、怒り、悲しみを感じやすいと言われています。

 

そのもやもやした感情を発散させる手段として
“いじめ”という行為に走るケースも少なくありません。
もし、あなたも心の中の“もやもや”を持て余しているようであれば、
まずはその“もやもや”が何に起因しているのか、原因を分析してみましょう。

 

【例】
学校の先生にひいきされた。自分がないがしろにされたように感じた。
成績もスポーツもイマイチで、学校に居場所がないと感じている。
友達との距離が離れていくように感じることがある。
家に帰ると、親は成績の話しかしない。自分の話をゆっくり聞いてくれない。
もしくは、人格を含めて全てを否定される虐待に遭っている。
両親が不仲で、とても何かを相談できる雰囲気ではない。
兄弟が病気で、とても自分がわがままを言える状態ではない。

 

心の“もやもや”はネットいじめに発展しやすい

最近増えている“ネットいじめ”も、
その背景には心の“もやもや”があると考えられています。

 

学校や家庭といった現実世界で「認められている」という実感がない人は、
ネットというバーチャルな世界で
自分の存在意義や力を確認しようとする傾向があるようです。

 

現実の世界で弱者であればあるほど、その反動は大きく、
ネットの世界では人が驚くような大胆な行動に出たりするものです。

 

本名の自分では何もできないのに、ハンドルネームという仮面をかぶることで
まるで“別人”になったかのように平気で他人を傷つけられるようになる…。

 

もし、心当たりがあるとしたら、あなたは大きな勘違いをしています。
ネットの世界は、ゲームの世界とは違います。
れっきとした現実世界の一部なんですよ?
ネットの世界だからといって、悪いことは悪いことですし、いじめはいじめです。
あなたが悪いことをしたという事実も消えません。

 

ネット上で攻撃的にふるまうことでストレスを発散させているのだとしたら、
それは非常に危険なやり方です。
ネット上での誹謗中傷は法律に抵触することもありますし、
顔が見えないからこそ、相手の傷口はより深くなります。

 

冗談半分の書き込みが、自分と相手の未来を奪うことになるかもしれない。
…ネットと付き合う上では、常にその危機感を持ち続けることが大切です。

 

ネガティブ思考から脱する方法

ココロの“もやもや”を解消できず、ついつい他人をいじめてしまう。

 

…そんな悩みを抱えているあなたのために、
もやもやを晴らして心をポジティブな方向に向けていく方法を伝授しましょう。

 

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これは、認知再構成法(コラム法)と呼ばれる方法で、心理療法の一種。

 

まず、ある状況で思い浮かぶ“もやもや”した気分をノートに書きだします。
例えば…

 

★状況:
身に覚えのないことで先生に怒られた

 

★気持ち:
なんでいつも自分ばかり怒られるんだろう。
自分は先生に嫌われているに違いない。

 

 

さて、次に、このようなもやもやした気持ちが生じてしまった根拠を考えましょう。

 

 

★例:
「先生は自分の顔を見る度に不機嫌そうな顔をする。叱るネタを探している」

 

ここで、この根拠と正反対の事実(反証)を書きます。

 

★例:
「先生は、いつも自分を気にかけてくれている。
成績が落ちた時には、本気で心配して補習までやってくれた」

 

 

これらを踏まえて、最後に、バランスのとれたポジティブな思考を書き込みます。

 

★例:
「先生は、母子家庭の自分のことを本気で心配してくれているからこそ、
時々、父親のように厳しく接してくれるんだろう。
他の生徒よりも自分を気にかけてくれているからこそ、色々目につくに違いない」

 

…日頃からこの訓練を続けていると、不思議なほど考え方が前向きになり、
心の“もやもや”も徐々に晴れていきます。
実際、この方法を行った人の8〜9割は「心が軽くなった」と答えているのだとか。
いじめてしまう自分を抑制するためにも、あなたも今日から試してみては?

 

参考:
読売新聞 『心健やか』 2012年11月18日朝刊

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