いじめゼロを目指して

勝負の行方は“システム”次第

古今東西、戦で勝利を収める軍というのは、
個人の能力には頼らないものです。

 

「えっ、やっぱり抜きんでた能力のある人が一人でもいる軍にはかなわないのでは?」

 

…と思われがちですが、孫子によれば、いわゆる“名将”と呼ばれる人物は
勝利を個人の能力には頼らないものなのだとか。
「適材適所」という言葉があるように、戦においても、
組織の敵所に適した人を配置してシステマチックに戦に当たることが
勝利への近道だというわけです。

 

それを実現するためには、自軍そして相手軍の
組織の弱点や強みを全て把握しておかなければならないでしょう。
ある意味では、その観察力と分析力こそが、
戦に最も必要な“能力”と言えるのかもしれません。

 

いじめ問題についてもこの考え方は応用できます。
自分がなぜターゲットにされてしまうのか、
まずは自分自身の弱点を客観的に分析してみるべきでしょう。

 

「いじめられる側にも問題がある」などと不用意な発言をして
多方面からバッシングを受ける著名人もいますが、
ターゲットにされるような何らかの“弱点”があることは事実です。

 

そこを自分自身で自覚しているのとしていないのとでは、
これからの人生に大きな違いが出てきます。
そこからは目を背けず、向きあうべきだと筆者は思います。

強い人が勝つわけではない

『孫子』によれば、戦いに勝つためにはシステムや戦略が必要です。
必ずしも、元々もっている力や勢いが“強い”軍や人が勝つわけではありません。

 

第一、弱点が一つもない人や組織など存在しませんし、
その弱点を自覚して補強することさえできれば、
自分よりも力の強い相手に打ち勝つことは不可能なことではないのです。

 

では、どうやって戦えば、自分よりも強い相手に勝つことができるのか?

 

一言で言えば、「相手の弱点を突く」ということでしょう。
相手の先回りをしたり、相手が予想だにしていなかったところに急進したり、
相手の守備範囲外のところから攻撃したり…。
つまり、事前に相手のことをよく知っておくことが大切なのです。

 

いじめの場合も、いじめグル―プの構造を冷静に分析し、
力関係をよく把握しておくことです。
中には、グループのボスに対して強い敵意や不満を抱いているメンバーもいます。
そういう人を密かに味方につけることができれば、
形勢を逆転することは十分に可能です。

 

一見、自分には太刀打ちできないように思われるいじめ集団にも、
何らかの“ひずみ”は必ず生じているハズ。

 

一方的にやられているように見せかけて、
実は相手集団の構造や弱点を知りつくしているというのは、
ある意味で優越感に浸れますよ(笑)。

敵が追いつけない後退

自分やいじめ加害グループ(あるいは加害者)の弱点を分析してみた結果、
「どう考えても自分には太刀打ちできない」と判断した場合は、
相手が追いつけないほどの速さで逃げるのも立派な戦略の一つ。
うかうかしていれば、心も体もエネルギーを吸い取られて
にっちもさっちもいかなくなりますよ。

 

自分一人ではどうにもできないと判断したら、
素直に教師や保護者、外部機関の力を借りましょう。

 

保健室登校という形で学校に守ってもらうという選択も“アリ”です。
自分自身のプライドが傷つく…なんて言って我慢していたら、
再起不能なレベルまで心をズタズタにされてしまいます。

 

まずは自分自身の弱点を自覚すること。
いじめ組織の構造と弱点を把握すること。
それで無理だと思ったら逃げること。

 

敵が追いつけない後退は、決して“弱さ”の表れではありませんよ。

 

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