いじめゼロを目指して

割を食わないために必要なテクニック

『兵法』と言うと、ともすれば好戦的な内容の書物を思い浮かべる方が多いでしょう。

 

しかし、『孫子』に関していえば、全くそのようなことはありません。
むしろ、逆だと言っても過言ではないでしょう。
「うまく逃げること」「戦わないこと」も、賢い戦い方の一つなのです。

 

孫武は、言っています。
「大勢の敵とは戦うな」、と。
少勢の軍が強気で大軍に挑んだとしても、結局は捕虜になるだけのことなのです。
(もちろん、例外もありますが)

 

戦力が多いということは、それだけで心理的に相手を圧倒することができます。
しかし、いじめの問題に当てはめて考えてみれば、
状況は言うまでもなく逆ですよね。

 

だいたいの場合は、集団(グループ)vs一人の構図が一般的。
いじめられる側は、まずは戦力で負けているわけです。

 

そういう場合は、ハッキリ言って、戦わないのが一番。
うまく逃れる方法を探すのが最善策です。

勝ち目がないなら戦わないのが最善

『孫子』によれば、

 

「味方の戦力が敵と比較して10倍ならばこれを囲み、
5倍ならば正面から挑み、2倍ならば分裂させてこれを叩く」

 

…というのが兵法の原則なのだとか。

 

さらに、自分たちの戦力が劣っている場合はうまく逃れ、
比べようもない時には隠れなければならないと記しています。

 

つまり、いじめのように、自軍が圧倒的に不利な状況化では、
正面から戦いを挑むのは賢い戦略とは言えないわけです。

 

なんとかして“戦わない道”を探るのがベスト。
素早く逃げてしまうことが、一番の護身術と言えるでしょう。

 

いじめのターゲットになることが日常茶飯事になってくると、
その状況から抜け出そうというパワー(気力)も削がれていくものです。
自分から鳥カゴに入っていく鳥のように、
鎖に繋がれているのが当たり前になっている犬のように、
いじめという状況を自ずと受け入れるようになってしまいます。

 

そうなると、逃げ出すのは用意ではないでしょう。
戦おう、立ち向かおうと思って無理をすればするほど、
自分自身がどんどん辛くなる。
ある意味では、自分で自分の首を絞めているわけです。

 

「勝ち目がない」と思う相手とは戦わない。近づかない。関わらない。
これが、究極の兵法です。

勝利のための条件とは

『孫子』の中には、勝利のための5つの条件が紹介されています。
具体的には…

 

@戦うべき時とそうでない時をわきまえることがきる者は勝利する
A大軍と小勢、それぞれの使い方を知る者は勝利できる
B上下の人々の心を一つにする者は勝利できる
C準備万端で、油断している敵に当たる者は勝利できる
D優秀な将に君主が干渉しなければ勝利できる

 

いじめ問題で注目したいのは、@の条件です。

 

“戦う・戦わない”の判断を誤らないということ。

 

「努力してなんぼ」「立ち向かって頑張るのが最善」
という努力至上主義の日本においては、ともすればいじめに関しても
「負けずに立ち向かうべき」「辛くても戦う人が強い」と思われがちです。

 

しかし、それはある意味では非常に危険な傾向だと筆者は思います。
戦わなければ!負けてはいけない!というプレッシャーから、
いじめ被害者は一人で頑張り続けてしまう。
その結果、心が折れて自ら命を断ってしまうこともあるわけですから。

 

戦わない。逃げるが勝ち!
学校に行くのはもうやめよう。いっそ転校してしまおう。
その選択をする勇気も、時には必要なのです。

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