いじめゼロを目指して

二人で協力して復讐した例

いじめの復讐を目的とした殺人事件や傷害事件は、
調べてみるとかなり多く発生しています。
実際に殺害してしまった事件ばかりではなく、未遂も多いようですね…。

 

復讐をすることの是非については、立場によって様々な意見があると思いますが、
これだけ復讐事件が多いことを鑑みると、
いじめる方にも“殺される覚悟”が必要かもしれません。
それだけ、いじめられる側は精神的に追い詰められるのですから。

 

いじめの復讐事件として、ちょっと異色な例をいくつかご紹介しましょう。

 

一つ目は、いじめの被害者2人が、共謀して加害者1人を殺害した事件。
1984年に大阪市で起こった事件です。

 

★大阪産業大学高校いじめ報復殺人事件 
生徒A・Bは、同級生の男子生徒・Cからいじめを受けていた。
具体的には、暴力を加えたり、別の生徒を殴るよう命じたり、
教室で性的な行為を強要したこともあった。

 

被害者は複数の教師に相談したが、学校側としては何も対策を取らなかった。
そのため、「いじめから逃れるためには自分たちの手でXを殺害するしかない」と、
2人で加害者の殺害に踏み切った。

 

計画を決行したのは、1984年11月1日。
被害者2人は加害者Cを大阪市北区の桜之宮公園に誘い出し、
隠し持っていた金槌でCを背後から殴り、釘抜きの部分で目をつぶした。
さらに、瀕死のCを、公園のそばを流れる大川(旧淀川)に投げ入れて殺害した。

 

翌11月2日朝にXの遺体が発見された。
AとBの両名は11月11日に殺人容疑で逮捕され、中等少年院送致の処分となった。

年月を経て恨みを晴らそうとした復讐事件

いじめを受けた人は、その辛さを一生忘れません。
時には、年月を経てその恨みを晴らそうとする人もいます。
それが、1991年1月に佐賀県で起こった
「同窓会大量殺人未遂事件」です。

 

★同窓会大量殺人未遂事件
容疑者Aは、中学時代に、清掃用具のロッカーに閉じ込められたり
女の子の前で裸にされたり、プロレスごっこのケガで何針か縫うケガを負ったり…
と、同級生からいじめを受けていた。

 

この恨みを晴らすために、自ら幹事に名乗り出て同窓会を企画。
ヒ素入りビールを飲ませたり、爆弾で会場を爆破して
自分もろとも皆殺しにしようと、大量殺人の計画を立てる。
(実際に、大量殺人兵器としてヒ素入りの瓶ビールを21本製造)

 

結局、この「殺人計画書」を発見した母親が警察に通報。
実行には至らず、殺人計画は未遂に終わり、懲役6年の刑を言い渡されている。

 

 

…この「殺人計画書」には
「俺を虫のように扱った愚物共が許せない。一緒に死んでやる」
と、書かれていたのだとか…。
いじめの恨みを晴らすために、化学薬品を入手しやすい会社へ就職したり、
自分で時限爆弾を作ったり…とかなり入念な準備をしていたようです。

 

いじめられていた過去に縛られて、未来に希望を見出せなかったのでしょう。
それだけの化学の知識があったわけですから、
能力をプラスの方向に生かせる道はいくらでもあったハズなのに。

 

彼をそこまで追いつめてしまった“いじめ”は、本当に罪深い行為ですね。
しかし、どんな事情があったとしても、犯罪は犯罪。
しかも、いじめ加害者以外の全く関係のない人まで巻き込もうとしたのは
どうも同情し兼ねますね…。

親が復讐に踏み切った例

いじめに対する復讐事件は数多くありますが、
中には本人ではなく親が復讐に踏み切ったという例もあります。

 

★福岡県いじめ報復暴行事件 
1994年に福岡県で起こった事件です。

 

中学校2年の男子生徒Aは、野球部で同級生の男子生徒2人から
繰り返し悪質ないじめを受けていた。
具体的には、暴行、物品の破壊、現金恐喝、万引きの強要など。
さらに加害者2名は、被害者に対して、1994年に発生した
「愛知県西尾市立中学校いじめ自殺事件」で自殺した生徒のあだ名を付けていた。
「自殺するときは遺書を書くなよ」などと暴言まで繰り返していたという。

 

1995年2月15日〜17日に修学旅行が実施されたが、
いじめ加害者のうち1人は不参加。
被害者Aに対して、お土産を強要していた。

 

この事実を知ったAの父親は、いじめ加害生徒2人を電話で自宅に呼び出し、
2人の手足を縛り、包丁を突きつけたり頭を殴るなどした。
この父親は、3月15日に監禁と傷害の容疑で逮捕された。

 

 

…息子さんを思う父親の気持ちはよく分かりますが、
このケースでも、やはり「犯罪は犯罪」。
復讐するにしても、やり方がマズかったですね…。

 

結局、
「事件は起訴猶予とするには悪質と判断したが、
汲むべき事情があるので正式裁判は見送る」
…とされて、傷害容疑で宗像簡裁に略式起訴。
罰金50万円の略式命令を受けています。

 

ところが、この父親、
「検察はいじめをどう判断したのか、略式裁判では明らかにできない」
…と、正式裁判を請求したんです!
すごいパワーですね…。

 

ただ、結局は、被害者・加害者両方の“今後”への影響を考慮して、
裁判の取り下げを請求しています。

 

この一連の顛末を受けて、福岡地方法務局は
「学校がいじめを見逃したことは人権侵害」と、判断。
この学校の校長に文書説示措置を行っていますので、
お父様の勇気は無駄にはならなかったということですね。

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