いじめゼロを目指して

“できるだけ見守る”というスタンス

子供同士のけんかやいざこざ、
それが幼児同士であればなおさらのこと、
周りにいる大人はついつい仲裁に入ってしまいがちですよね。

 

しかし、幼いうちから“人との付き合い方”や
“いじめがなぜいけないのか”を学ばせるためには、
なるべく大人は口出しをしないのがベターです。

 

例えば、幼児が二人でおもちゃの取り合いをしていた場合。
ともすれば、「○○くん、△△ちゃんにも貸してあげたら?」と、
口を出したくなるものですが、そこはじっと我慢。

 

どうすれば貸してもらえるのか、
一人占めしたい気持ちにどう折り合いをつけたら良いのか、
自分の言動で相手の子供はどういう反応をするのか…。

 

これらの体験を通して、幼児たちは、
自分以外の人間とうまくやっていくためのテクニックを身につけていくのです。

 

これらは全て、良好な人間関係を構築する術を学ぶための鍵。
幼いうちから、こうした機会をフルに活用して心の成長を促進すべきです。

 

子供の将来を思うのであれば、
ちょっとした喧嘩は“見守る”というスタンスを貫くべきでしょう。
こうした積み重ねが、将来的にはいじめの防止にもつながっていくのです。

大人が介入することのリスク

幼児同士のケンカで片方が泣き出してしまった時。

 

大人が「ほらほら、○○ちゃんが泣いちゃったじゃない」「こら、謝りなさい!」
…などと介入することには思わぬリスクが伴います。

 

なにしろ、幼児同士のいざこざの原因は、大人が想像するよりも複雑!
一方的にどちらかをたしなめれば、幼児同士の人間関係にひずみが生じますし、
大人に対する不信感や不満を募らせる原因にもなり兼ねません。

 

介入する際には、どちらかを責めるのではなく、
「どうしてこうなったのか」「何が嫌だったのか」
両者の気持ちを整理してまとめる、あくまでも“仲介役”に徹することが大切。
(コレ、小学校や中学校のいじめ対応にも通ずるものがありますよね)

 

まだまだ言語能力が未熟な幼児は、自分の気持ちをうまく言葉に表せません。
そのもどかしさから、ただただ泣いて自分を主張する幼児も多いでしょう。
大人が介入する意味があるとすれば、その涙の理由を一緒に言葉にしてあげて、
それを相手に伝えることです。

 

相手の気持ちが分かれば、幼児も安心するもの。
相手がなぜ泣いているのか、自分の言動の何がマズかったのか、
それを理解できれば、幼児同士のいざこざは意外とすんなりと解決するものです。

幼児時代から学ぶ“人間関係”

「いじめ問題」や「いじめ防止教育」というと、
ともすれば小学校以上の子供たちが対象のように感じてしまいがちです。

 

しかし、実際には、いじめ防止教育は幼児期から始まっています。
なぜなら、幼児の間にもいじめは存在するからです。
保育園だって幼稚園だって、“集団”があるところにいじめは発生します。

 

本当は仲良くしたいのに、叩いたりぶったりすることでしか気持ちを表せない。
本当は仲間に入りたいのに、うまく打ち解けられない。
○○ちゃんたちに悪口を言われた。
誘って欲しいけど、誘ってもらえなかった…。

 

…“いじめ”というにはかわいいレベルのトラブルかもしれませんが、
幼児たちにとっては深刻な“人間関係の悩み”。
幼児期にこのような問題をクリアする術を身につけておけば、
将来的に“いじめ”のトラブルに巻き込まれた場合でも
自分なりに納得のいく答えを見つけて行動することができるでしょう。

 

そういう意味でも、幼児同士のケンカに大人が安易に口を出すべきではないのです。
「こうしなさい」「ああしなさい」「○○しちゃダメでしょ」
と、頭ごなしに従わせるのではなく、
幼児たちに、“自分で考える”機会を与えること、
相手の気持ちを想像するトレーニングの場を与えること。

 

人間関係について悩む“免疫”をつけておくこと。
それがいずれは、いじめ問題に対する
“心の体力づくり”にもつながっていくのではないでしょうか。

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