いじめゼロを目指して

いじめ加害者への処分は法律で決まっている?

いじめ問題が発生した時、いじめ被害者やその保護者の立場からしてみれば、

 

「加害者生徒はなんらかの処分をされて当然!」
「自分はあんなにヒドイ目に遭ったのに、加害者に処分がないのはおかしい」

 

…という怒りを感じるのはごもっともなことだと思います。

 

実際、いじめ加害者に対する処分については、
学校教育法40条にも次のような内容の記載があります。

 

「他の児童(生徒)に傷害、心身の苦痛、
又は財産上の損失を与える行為を繰り返す児童・生徒に対しては、
市区町村の教育委員会は出席停止を命じることができる」

 

…これはまさに、“いじめ”行為に対する処分を言い表したものと解釈できるでしょう。
この法律に基づけば、いじめ加害者に出席停止処分を下すことができるのです。

 

しかし、実際にはこの法律が適用されることはほとんどないのだとか。
結局は、加害者は今まで通り学校に登校し、被害者はその姿に脅え続ける…
といういささか理不尽な状況が当たり前となっているのです。

「結局は処分されない」、その理由

法律で「いじめ加害者には出席停止処分を下しても良い」と認められているのに、
なぜ、実際の現場では処分が命じられないのでしょうか。

 

その理由の一つとして挙げられるのは、やはり、“世間体”でしょう。
いじめ被害者もいじめ加害者も、どちらかが転校でもしない限り、
これから先も同じ地域の中で・同じ学校内で生活を続けていくわけです。

 

学校内外の世間の目を考えれば、
「そこで加害者側に厳罰処分を下すことはお互いにとって得策ではない」
…と判断されるケースが多いようですね。

 

確かに、狭いコミュニティーの中では噂も広がりやすいですし、
加害者生徒の将来を考えれば、厳罰処分は避けるべきなのかもしれません。

 

しかし、被害者やその保護者からしてみれば、
それでは収まりがつかない場合もあるでしょう。

 

「なぜ、いじめ加害者が平気な顔をして学校に来ていて、
被害者である自分が不安を抱えて生活しなければならないのか」

 

…学校側に主張する人もいれば、転校を考える家族もいるようです。

 

私立学校と公立学校の違い

いじめ行為を行った加害者は大きな処分を受けることもなく普通に登校していて、
いじめの被害に遭った被害者が、トラウマで学校を休みがちになる。

 

…普通に考えると、非常に理不尽なことですよね。
本来であれば、加害者はなんらかの形で厳重な処分を受けるべきです。

 

実は、この“処分”に関しては、
私立学校と公立学校の間で大きな違いがあるようなんです。
私立学校では、加害者が出席停止処分を受けたり
退学処分を受けたりすることは珍しいケースではないのだとか。
そのため、いじめ被害を受けて公立学校→私立学校へ転校する子供も…。

 

私立か公立かでここまで処分に違いがあるというのもおかしな話ですよね。
実際、学校側が処分を検討してくれなかったという理由から、
被害者の親が加害者生徒を傷害罪や恐喝罪で訴えるというケースも出ています。

 

これは、学校側が被害者の納得のいく形で
問題を解決することができなかったという典型例と言って良いでしょう。
結局、後になって「処分云々」の問題が発生するのは、
学校側の認識・対応の甘さに原因があるのではないでしょうか。

 

双方が納得のいく形での解決を導くこと
そこに、教師の力量がかかっています。

関連ページ