いじめゼロを目指して

いじめによる自殺が後を絶たないという現実…

1986年2月、東京都中野区の中学2年生の男子生徒が
いじめを苦に自殺するという事件が起こりました。

 

「なにかあってから世間が騒ぎ始める」というのは、
この国のどうにもならない傾向ですが、こうした自殺事件をきっかけにして
いじめの問題が世間的にも注目されるようになったのです。

 

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そして2000年代。
いじめを苦に自殺をする子供たちが後を絶ちません。

 

2006年9月には、北海道滝川市で小学校6年生の女子児童が、
2010年10月には群馬県桐生市で小学校6年の女子児童が
いじめが原因で自殺を図り、尊い命を失っています。

 

記憶に新しいところだと、2011年10月に滋賀県大津市で起こった「大津中2自殺問題」
TVや新聞でも連日報道され、大きな騒動へと発展していますよね。

 

…というのも、市の教育委員会が行ったアンケートで、
「学校で自殺の練習をさせられていた」といった事実が明らかになったため。
しかもこのアンケート結果を中学校や教育委員会が隠していたことが発覚し、
その隠ぺい体質に世間の非難が殺到する結果となってしまったのです。

 

自殺につながりやすい“いじめ”のパターン

それにしても、学校で自殺の練習をさせられていたというのは、
あまりにもショッキングな事実です。
また、いじめが一対一ではなく、集団で行われていたことも伺える事実ですよね。

 

早稲田大学人間科学学術院の菅野純先生の著書によれば、
自殺につながるいじめには、ある共通したパターンがあるのだとか。

 

★パターン@ 集団いじめ
加害者と被害者が同じグループ内におり、一見“仲間”のようにみせかけつつも
大人の目が届かない場所で集中的にいじめ行為を行うというパターンです。

 

クラス全体に、「いじめ被害者の味方をすると今度は自分がターゲットにされる」
という雰囲気が作り出され、そのため、
「集団 対 一人」という構造になりやすいのだとか。

 

被害者は万引きなどの犯罪行為を強要されることもあり、また、
それを断り切れずに遂行した場合には“弱み”を握られてしまうため、
ますます教師にも親にも相談できないという泥沼に陥っていくのです。

 

 

★パターンA 長期にわたるいじめ
@は短期間に集中的にいじめ行為を受けるのが特徴的ですが、
Aは長期に渡っていじめが繰り返されるパターン。いつも同じメンバーではなく、
様々なメンバーによっていじめ行為が引き継がれるのが特徴です。

 

じわりじわりと心を病み、
「自分なんていてもいなくても変わらない存在なんだ」
「いっそ死んでしまったほうが楽なんじゃないか」
…と、自己肯定感や自尊心を丸ごと奪い去られてしまうほど
追いつめられてしまいます。

 

確かに、「もうちょっと我慢すれば逃れられるかもしれない」という希望があれば
なんとか踏ん張れるかもしれませんが、
「いつまでこの暗闇が続くか分からない」という先が見えない状況では、
比較にならないほど精神的に“落ちて”しまうのかもしれません。

 

小さな変化も見逃さないこと!

いじめは、もはやただの「子供同士のトラブル」ではありません。
交通事故や病気を同じように、我が子の命を奪う危険性があるもの。
…保護者は、その点を肝に銘じておく必要があるでしょう。

 

その上で、子供たちの些細な変化、例えば
「イライラしている」「焦っている」
「部活を休みがちになった」「学校に行きたがらない」「成績が急に落ちた」
「食欲がなくなった」「よく泣くようになった」
…といったサインを見逃さないようにしなければなりません。

 

そして、サインに気付いたら、しつこく問いただすのではなく
「何かあるなら、いつでも相談に乗るよ」と優しく言葉をかけてあげてください。

 

「誰も味方がいない」という孤独感を抱えて戦うのと、
「すぐ近くで見守ってくれる人がいる」という心強さがあるのとでは、
気持ちの余裕が全く違ってきます。

 

自殺という最悪の決断を選ばせないためにも、
親や教師は“小さな変化を見逃さない目”を養うべきではないでしょうか。

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