いじめゼロを目指して

「いじめられる方にも問題がある」

いじめ被害に遭った経験を持つ人に話しを聞くと、よく出てくるのが、
「教師の言葉に傷ついた」
「教師の介入で、かえって事態が悪化した」
…というエピソード。

 

確かに、メディアで取り上げられるいじめ事件でも、
「教師もいじめに加担していた」とか、
「いじめの事実を知っていながら、教師がなんの対策もとらなかった」とか、
教師が絡むいじめ問題は多いですよね。

 

中でも、よく聞くのが、
「いじめられるお前にも問題があるんじゃないか」
という発言にショックを受けたという体験です。

 

言われてみれば、筆者の中学時代を振り返ってみると、
いじめられっこタイプの大人しい子供に対して
担任がイライラして冷たく接していたような印象も…。
傍から見てそう感じてしまうほどですから、これは問題ですよね。

 

教師だって人間ですから、生徒に対して“好き”“嫌い”、
相性が“合う”“合わない”の問題はあると思いますが。

 

しかし、いじめの問題になれば、それは別問題でしょう。
好きだろうが嫌いだろうが、いじめ被害者は罪のない被害者です。
たとえ、多少なりともその子にも問題があったとしても、
そこを責めたり咎めたりするのはお門違いです。

 

それって、結局、やっていることはいじめ加害者と同じですよね?

 

hitokoto

 

介入の仕方がマズイといじめはエスカレートする

集団行動を重んじる風潮がいまだに根強く残る日本では、
和を乱す存在を認めない、受け入れないという傾向があります。

 

いじめ問題も然りで、いじめ加害者はもちろんのこと、
被害者までも“和を乱す厄介者”として捉えられてしまうことも…。

 

そのため、教師側の対応も、ともすれば
“けんか両成敗”的なニュアンスになりがち。
つまり、「いじめ問題=子供同士のケンカの延長=どちらも悪い」
…いじめ問題に対して、そんな甘い認識しか持ち合わせていない教師もいるのです。

 

具体的には、被害者と加害者を同時に呼びだして、
形式だけの“話合い”を設けて最後に握手をさせておしまい。
これでいじめ問題を解決した気分になっているという…(苦笑)

 

実際には、これがきっかけでいじめが激化したり、
少しの間だけ収まってまた始まったり…と、根本的な解決にはつながりません。

 

さすがに、これだけいじめ問題が深刻化した現在では
このような甘い認識で取り組んでいる教師は少ないとは思いますが、
かつてはこんな対応が当たり前だった時代もあります。

 

一人の教師が、上司や専門家(スクールカウンセラーなど)になんの相談もなく
自己流で対処すると、かえって事態がエスカレートする可能性も少なくありません。

 

どんな些細な問題でも、「いじめについてはチームで対処する」
これが、いじめ問題解決の基本です。

教師の不用意な発言で不登校に…

教師の対応方法がマズかったためにいじめがエスカレートしたという例もあれば、
教師の発言が原因でいじめ被害者が不登校になったという例もあります。

 

意外かもしれませんが、「守ってやる」という言葉は、
温かいようでいて実はしごく残酷な言葉。
捉えようによっては、
「お前は自分の力ではいじめ一つ解決できない人間だ」と
弱者のレッテルを張られたような気持ちになってしまいます。

 

教師側のスタンスとして大切なのは、“一緒に解決しよう”という姿勢。
一方的に“守ってやる”というのは、ある意味では教師の傲慢です。

 

そもそも、被害者は教師の介入を希望しているのかどうか。
この点についは必ず本人の意思確認をしてから行動を起こすべきです。

 

子供たちにも一人前の“プライド”が芽生えていること、
そしてそのプライドは、大人のそれよりも脆く、
傷つきやすいものであることを常に意識しながら接するよう心がけましょう。

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