いじめゼロを目指して

事実を正しく把握するために

いじめ問題が発生した時、最初の段階で大事なのは、
状況(事実)を正確に把握するということでしょう。

 

誰が加害者で、誰が被害者なのか?
どういう構造でいじめが起こっているのか?単独?グループ?
そのいじめはいつ頃から行われていたのか?

 

…これらの事実確認は、担任教師一人ではとても対応しきれません。
一見、単純な構造のいじめに見えても、
実際にはもっと複雑で根が深く、簡単には解決できない場合もあるからです。

 

そのような場合でも、事前にいじめの指導体制がしっかり確立できていれば
事実確認から解決まで比較的スムーズに対応することが可能でしょう。

 

クラス担任はもちろんのこと、学年主任、養護教諭、教育相談係、
スクールカウンセラー、そして管理職が手分けして対応すべきです。

 

具体的な聴き取り調査のポイント

いじめ問題を適切にケアするためには、
しっかりとした指導体制を築き、それぞれで役割を分担することが大切です。

 

まず、いじめの被害者やその保護者からの事情説明は、
クラス担任や養護教諭、教育相談係、スクールカウンセラー、
部活動の顧問などが当たると良いでしょう。
日頃から関わりがあり、安心感を持てる相手でなければ、
被害者は真実を語らないからです。

 

加害者側に対しては、クラス担任や副担任、学年主任などが当たります。
(できればスクールカウンセラーも同席するのが望ましい)

 

最初から「おまえはいじめ行為をしているだろう」と決め付けるのはNG!
表向きはいじめ加害者に見えても、実際は、
被害者以上にココロに問題を抱えている場合もあります。

 

面談の目的は、あくまでも“事実確認”。
相手を責めるために呼びだすわけではありません。
その点については、指導体制の中でも認識を共有しておくべきでしょう。

 

…さて、被害者側と加害者側の面談が終わったら、
両者の言い分をすり合わせていきます。

被害者を守るための指導体制づくり

被害者側・加害者側の両者から聞き取った内容をすり合わせ、
内容がまとまったら、今度は管理職を交えて今後の指導方針について話合います。

 

学校として、どう指導していくのか。
学校として、どのようにして被害者を守っていくのか。
その方向性が定まった時点で、保護者への説明を行います。

 

被害者本人に対しては、「学校全体で守る」と伝え、、
教師が絶対にその子供から目を離さないような指導体制を作ることを約束します。
また、イザという時に避難できる場所についても一緒に考えていきます。

 

この段階で大切なのは、

 

「あなたは一人ではない」
「学校側はこの問題を深刻に受け止めている」

 

ということを真摯に伝えること。

 

「学校や教師を信頼しても良いんだよ」という安心感を与えることです。

 

いじめを再発させないために

一旦、収束したかに見えても、実は小さな火種がくすぶりつづけている。
…だからこそ、いじめはなくならないのです。

 

学校内でいじめを二度と再発させないためには、
学校側として「いじめは絶対に許さない」
という態度を知らしめるべきでしょう。

 

最も効果的なのは、校長自らが生徒たちに強いメッセージを伝えることです。
会社でも、部長の交代ひとつで部の雰囲気ががらりと変わってしまうように、
校長の態度ひとつで学校内の意識も変わります。
本気でいじめを根絶しようと思うなら、まず、
代表者である校長の意識を変えることです。

 

一方で、加害者をいじめ行為に駆り立てた原因についても無視はできません。
なぜ、そういった行為に走ってしまったのか。
他の生徒をいじめることが、その子にとってどんな意味があったのか。
加害者側の“心の問題”についても迫っていくことも、
いじめ根絶には欠かせないプロセスです。

 

その部分をうやむやにしてしまうと、何度も同じ悲劇が繰り返されるでしょう。
アフターケアとしては、被害者はもちろんのこと、
加害者側のフォローにも注力していくべきです。

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