いじめゼロを目指して

カウンセリングの基本とは

一般的に、「カウンセリング=心の治療をしてもらうこと」と思われがちですが、
本来、カウンセリングとは、本人の心の回復・成長をサポートすること。
カウンセラーが、「ああしなさい」「こうしなさい」と一方的に指示することはありません。

 

もちろん、いじめの被害者に対するカウンセリングについても
この基本ルールは守らなければなりません。
まずは、いじめの被害を打ち明けてくれた勇気をねぎらい、
その後で、本人の話をじっくり聞きましょう。
カウンセリングは、あくまでも相談者の話を“傾聴”することが大切なのです。

 

ただ、子供の場合は、コミュニケーション能力が未熟なために
自分の気持ちを上手に言葉に表現できない場合もあります。
そのような場合には、
「それは辛かったよね」「悔しかったでしょう」
「そんなことをされたら、悲しくなっちゃうよね」
…と、カウンセラー役の教師が本人の気持ちを代弁してあげると良いでしょう。

 

そうすることで、いじめの被害者は、
「分かってもらえている」という安心感を抱くはずです。

 

ただ、プライドが成長しつつある思春期の生徒の場合は、
教師側が分かったような口調で話すとかえって気分を損ねることがあります。

 

相手の反応を見ながら、うなずいたり、
「そうか…」と相槌を打ったりしながら、ノンバーバルに
「あなたの気持ちは受け止めていますよ」というメッセージを伝えましょう。

あくまでも本人の希望を優先するべし!

いじめがエスカレートしていて、
放っておくと被害者の身に危険が及ぶような状況の場合は、
学校を一時的に休ませたり、教育相談所に相談するといった対応も必要でしょう。

 

しかし、そこまでのレベルでないのであれば、
基本的には被害者本人の希望を尊重して今後の対応策を練っていきます。

 

カウンセリングでは、被害者はこれから教師にどうして欲しいのかを確認しましょう。
加害者側に話をつけて欲しいのかどうか。
休み時間や放課後にクラスのパトロールをして欲しいのかどうか。
それとも、ただ話を聞いてもらえるだけで満足なのか。
この確認をとらずに教師側が勝手な判断で突っ走ってしまうと、
せっかく相談してくれた被害者からの信頼を裏切ることになってしまいます。

 

いじめ問題は、ともすれば「早く解決しなければ」と焦ってしまいがちですが、
焦らず、腰を落ちつけて取り組むことこそが解決への近道だったりします。

 

定期的にカウンセリングで自分の気持ちを聞いてもらえるだけでも、
被害者の心の余裕は全く違ってきます。

 

心の風通しを良くしてあげること
それこそがカウンセリングの目的だと言っても過言ではないでしょう。

 

長期的なサポートが必要

いじめを受けた被害者の心の傷は、想像以上に深いものです。
対人恐怖になって外へ出られなくなってしまうケースも少なくありません。

 

しかも、そういった症状が成人して社会に出てから表れてくる場合もあり、
まともな社会生活が送れなくなってしまう人もいます。

 

このような結果を未然に防ぐためにも、
いじめ問題が収束した後のカウンセリングに時間をかけることが大切です。
しばらくの間は、保護者と連絡を取り合いながら、
学校・自宅両方での様子を見守る必要があります。

 

子供によっては、いじめがきっかけで
友達を遊ぶことが怖くなってしまうこともありますが、
人から受けた傷は、人で癒すしかありません。
他者との関わりの中で自分の気持ちを表現することが、一番の回復方法です。

 

カウンセリングでは、どうすれば自分の気持ちをうまく人に伝えられるのか、
自己表現力についても指導できると理想的です。

 

「こういう場合はどうすればうまく断れるか」
「こういう場合、どうすればうまく問題を解決できるのか」
ロールプレイングを交えながらトレーニングすると良いでしょう。

 

いじめ問題が解決したから、もう終わり!…ではなく、
その子供が社会に出た時のことも見据えた長期的なケアが必要不可欠なのです。

 

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