いじめゼロを目指して

クラス担任としてやるべきこと

いじめ問題は、クラス担任が対応の仕方を間違えると、
学校vs保護者の大きな問題に発展する可能性もあります。
…クラス担任をされている方は大きなプレッシャーを感じてしまうかもしれませんが…。

 

いじめ問題を、拡大せずにいかにスムーズに解決できるか、
いかに“後を引かずに”円満に収められるかは、
ある意味ではクラス担任の手腕にかかっていると言っても過言ではありません。

 

いじめ問題が発生した時、クラス担任が行うべき具体的プロセスは以下の通りです。

 

・いじめの被害者を守る(休み時間、放課後のパトロールの実施など)
・学年主任や教頭に報告・相談し、指導を仰ぐ
・いじめの実態を調査する
・グループでのいじめの場合は、グループの構造を把握する
・被害者およびその保護者と面談をする
・加害者と面談を行って、事実確認および指導を行う
・クラス全体に向けて、いじめについての指導介入を行う
・加害者の保護者と面談をする

 

――――――――――ここからは、クラス担任+学校側の仕事

 

・必要に応じて、保護者会を開いて、他の保護者にも事情を説明する
・必要に応じて他のクラスや学年の教師にも展開し、
 学校全体でいじめ問題に取り組む体制を整える

認識の甘さは命取り!

経験の少ないクラス担任がやってしまいがちな間違いは、いじめを甘く見ること。
「このくらいはよくあることだ」と楽観視してしまうことです。

 

例えば、被害者側の保護者から問い合わせがあった場合に、
事実関係をよく確認もせずに「うちのクラスにいじめはありません」と返答するケース。
担任から見える範囲では“ない”ように見えても、
実際は見えないところでいじめが行われていることも少なくありません。
(むしろそっちのほうが多いでしょう)

 

保護者が何か感じ取っているのなら、その話によく耳を傾けて、
本当にそうなのかどうかを自分の目・脚・耳で確かめるべきです。

 

また、被害者側の生徒から相談を受けた場合、
「よし、じゃあ、俺が間に入って解決してやる」と、
すぐに被害者を呼んでしまうのはNGです。
被害者と加害者を同時に集めて、その場で加害者を指導すれば、
「コイツ、先生にチクッたな」と、ますます攻撃性を刺激することになります。

 

加害者に直接話をしても良いかどうか、その際、被害者の名前は出して良いかどうか
被害者の意思を尊重しながらことを進めなければなりません。

 

いじめ問題の場合、“楽観視”と“焦り”は禁物!
人の気持ちも、クラスの人間関係も、いわば“水モノ”で非常に流動的なものですので、
根気強く様子を観察しながら“動くタイミング”を見計らわなければいけません。

保護者対応の注意点

クラス担任は、いわば、学校側と家庭側をつなぐ懸け橋のようなもの。
保護者と接する際には、“学校の代表”という立場になり、
担任に対する印象がそのまま学校の印象につながると言ってもいいでしょう。
学校を背負うくらいの覚悟で臨み、言動には十分注意を払いましょう。

 

★被害者側の保護者に対して★
被害者の生徒がすでに保護者に対していじめの相談をしているようであれば、
なるべく早めの保護者と連絡を取って家庭訪問をしましょう。
「対応が後手に回っている」という印象を与えないためにも、
ここは迅速な対応が必要です。

 

保護者に会ったら、まずは生徒の家での様子や保護者の心配事項について
否定したりせずにじっくり耳を傾けましょう。

 

場合によっては、クラス担任としての在り方について
耳の痛い批判的な意見をぶつけられるかもしれませんが
反論したりしてはいけません。
自分の考え方、クラスの現状を説明するのは、一通り保護者の話が終わった後です。

 

その上で、決していじめを放置しているわけではないこと、
被害を受けている生徒の気持ちを一番に考えていること、
何か気付いたことがあれば連絡して欲しいという旨を伝えます。

 

ポイントは、
「これから解決に向かって一緒に協力していきましょう」
「生徒にとっても保護者にとっても、力になりたい」
…という気持ちをアピールすることです。

 

 

★加害者側の保護者に対して★
加害者側の保護者の対応は、被害者側以上に注意が必要です。
親バカならずとも、自分の子供はかわいいもの。
そんな子供が、担任から「加害者」扱いされるというのは、面白くないものです。
最初から「おたくの○○さんは学校で他の子供をいじめている」と
決め付けるような態度で接するのは、相手の反感を買うだけです。

 

まずは、クラスの中でいじめ問題が持ち上がっているという事情を説明し、
「ご意見をうかがいたい」というスタンスで連絡しましょう。
ともすれば、加害者生徒のように、
「被害者にも責任がある」「そんなのは“いじめ”の範疇に入らないのではないか」
…と反論してくることもあるでしょう。

 

しかし、クラス担任としてそこでひるんではいけません。
“いじめた”“いじめていない”の議論は置いておいて、とにかく
その行為によって被害者が傷ついていることを分かってもらわなければなりません。

 

子供同士のことなので、色んなことがある。
決して、加害者生徒だけを責める気はない。
しかし、そうは言っても、相手が傷ついて学校に行きたくないと言っていることは事実。
人によって感じ方も違うので、加害者生徒が悪いと言っているわけではない。
クラス担任として、みんながお互いに楽しいクラスにしたいと思っている。
自分にも至らない点はあるが、これから努力していくので、ぜひ協力をお願いしたい。

 

…このような流れで納得してもらえると理想的ですね。
間違っても、対立するようなことにならないように!

 

 

 

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