いじめゼロを目指して

初期対応が最も大切!

いじめのサインに気付いた時、
学校側としてはどのようなプロセスで解決を目指すのが適切なのでしょうか。
(いじめのサインについては「いじめのサインの見つけ方」をご参照ください)

 

いじめを発見した場合、解決までの一連のプロセスの中で最も重要なのが、
学校側の初期対応であると言っても過言ではないでしょう。
見て見ぬフリをするのはもっての他ですし、
大げさに事を荒立てるのもかえって逆効果です。

 

学校側の初期対応というプロセスが躓くと、保護者たちを巻き込んだ騒動になったり、
警察やマスコミにまで根ほり葉ほり調べられるトラブルにも繋がりかねません。

 

このプロセスで大事なのは、まずは冷静に事実確認をすること。
いじめの被害者に話を聞くことはもちろんですが、
休み時間や放課後のクラスの様子にも今まで以上に目を配って、
教師が感じたいじめのサインが本当にいじめの表れなのかを検証します。

 

子供たちへの対応

★被害者に対して★
小学校低学年であれば、「○○ちゃんに無視された」「○○くんにぶたれた」と、
児童本人が教師の元にいじめの存在を知らせてくれることが多いものです。

 

しかし、年齢が上がるにつれて、
被害者自身がいじめを報告することはなくなっていきます。
しかも、徐々にプライドも育ってくるため、いじめの事実を認めようとしなかったり、
事実を必死に隠したりごまかしたりするケースも増えてきます。

 

このプロセスでは、教師の考えを無理に押し付けないことが大切。
あくまでも、「何かあるんだったら相談してね」と、
心配していることを伝えることが基本です。
「よし、俺が○○に話をつけてやろう」などと、教師主導で解決しようとすれば、
被害者のプライドは傷つきますし、かえっていじめをエスカレートさせてしまいます。
被害者が話したくなるまで、温かく見守る忍耐強さが必要です。

 

 

★加害者に対して★
加害者に対して指導するプロセスでは、間違っても、
「お前、△△をいじめているだろう」などと一方的な決め付けで話をしてはいけません。
そもそも、加害者の中には、いじめに対する罪悪感が全くない子供もいます。
一方的に責めるだけでは解決にはいたりません。

 

このプロセスでは、被害者だけではなく加害者の人格も尊重することが大切。
「最近、荒れてるみたいだけど、何かあったの?」「何かあるなら相談してね」
…と、ここでも、あくまでも相手を心配していることを伝えます。

 

教師は、被害者に対しても加害者に対しても中立な立場で接することが大切。
被害者の救済はもちろん優先されるべきですが、
だからといって加害者をないがしろにして良いわけではありません。
教師が家庭内の問題に気付いてフォローしてあげたことで、
加害者のいじめ行為がなくなったという例も多いのです。

 

 

★傍観者に対して★
いじめを見て見ぬフリをしている傍観者に対しては、
「“見ているだけ”も加害者と同じ」であることを教育する必要があるでしょう。
ただし、このプロセスでも、一方的に加害者を悪者扱いするような態度はNGです。
「先生はえこひいきしている」と認識され、
被害者への風当たりがますます強くなります。
あくまでも、教師は中立な立場で
いじめを解決しようとしていることを示すことが大事です。

 

その上で、
「クラスの中でなにか気になることがあるなら、相談して欲しい」
「先生は、クラスのみんなのことを心配している」
…と伝えます。

保護者への対応

いじめは子供同士の問題ではあるものの、
場合によっては保護者を無視できないケースもあります。

 

例えば、加害者のいじめ行為が家庭内の事情に起因している場合は、
家庭内の問題が解決することでいじめ問題が解決することもあります。
その可能性が疑われる場合は、保護者ともじっくり話をして、
最近の学校での様子をふまえて解決策を一緒に講じていかなければならないでしょう。

 

また、被害者側の保護者にしてみれば、
「子供の様子がおかしい」「時々、汚れた体操着を持って帰ってくる」
…と、いじめを窺わせるサインを見つければ学校に対して不信感を抱くでしょう。

 

被害者の保護者対応というプロセスでは、とにかく信頼関係を築くことが大切。
決して、いじめを見て見ぬフリをしているわけではないこと、
本人たちの意思を尊重して、より良い解決法を目指していること…等、
解決のために動いていることを伝えて安心感を与えましょう。

 

また、保護者の思いにじっくりと耳を傾ける姿勢も大切です。
その上で、今後も連携をとって子供たちを見守っていくという方向性を提案しましょう。
このプロセスが杜撰だと、警察沙汰になったりマスコミが来たり…と、
子供たちの心にダメージを与える結果につながりかねません。

後を引かないために必要なプロセス

一連のプロセスを経て、たとえいじめが解決したとしても、
まだまだ油断はできません。いじめがあったという事実は消えませんし、
いじめられた被害者の心の傷は決して消えることはないでしょう。

 

実際、有名人の方が
「昔、いじめられていた」という体験をカミングアウトすることがありますよね。

 

後を引かないためにも、油断せずにクラスの様子に目を配る必要があります。

 

また、似たようなことは他のクラスや学年でも起こり得ますので、
どうやって対応したのか、どうやって解決したのかといった情報を
教師の間で共有しておくことも大切なことです。

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