いじめゼロを目指して

人間関係といじめ

子供の頃のことを思い返してみると、
学校での人間関係って結構複雑でしたし、うまくやるのは難しいですよね。

 

ここ数年、いじめが社会的な問題になっていますが、
それも学校での人間関係に様々な変化が生じているからなのではないでしょうか。

 

そもそも、学校だろうが社会だろうが、人間関係の根本にあるのは人、個人です。
つまり、人間関係がおかしくなるというのは、
私たち個々人の心の在り方に問題があるということなのかもしれません。

 

ともすれば、
「家庭での教育が不十分で、他人を思いやれない子供が増えたから」
「キレやすい子供が増えたから」
…と、いじめの加害者側に問題があるという議論にもなりがちですが、
それは何も、いじめの加害者側に限ったことではないでしょう。
いじめられる被害者側のほうも、コミュニケーション能力が未熟だったり、
問題解決能力がなかったり…と、何らかの問題を抱えているケースが多いのです。

 

つまり、学校での人間関係におけるトラブルを解決するための本質は、
まずは「個人のソーシャルスキルを高めること」
にあると言っても過言ではありません。
とはいえ、それを学ぶには、大人たちが手本を見せる必要があります。

 

こればかりは、教科書では学べません。
実際に大人たちを見て、どうすれば人間関係をうまくやっていけるのか、
自分も相手も居心地が良い人間関係を造るにはどうすれば良いのか、
経験の中から学んでいかなければならないのです。

 

そのような場が少ないことも、
いじめ問題が深刻化している原因の一つなのではないでしょうか。

家庭での人間関係も影響する?

「いじめは学校の人間関係の中で起こるもの。家庭の問題は関係ない。」
…そう思ってはいませんか?

 

しかし、実際には、学校で起こる人間関係のトラブルの背景に家庭問題アリ!
家族での人間関係の良し悪しは、
確実に子供同士の人間関係にも影響を与えます。
家庭内の人間関係が疎遠で、お互いの意思疎通がうまくできていないと、
外に出て他者に接する場合にも同じように
“自分をうまく出せない”という問題に直面します。

 

また、言葉で意思を伝える術を学んでいない子は、極端な場合、
態度や暴力で人を説得させようとするようになります。
これが、結果的にはいじめられっこやいじめっこを生み出す元凶になるわけです。

 

いずれにしても、家庭内で
「人間関係のバランスのとり方」を教わっていないために、
家族以外の人と付き合う場合にも、
その関係構築の段階で転んでしまうんですね…。

 

そもそも、家庭内で円滑なコミュニケーションがとれていない子供は、
「自分は他者から認められている」
「自分の意見を聞いてくれる人がいる」
という自己肯定感が低くなりがち。
それはそのまま“人間関係への不安”へとつながり、結果として、
家族以外の人と関係を構築する際にも不安感が“しこり”のように残ってしまうのです。

 

いじめの問題が発生したとき、ともすれば、
まっさきに学校での人間関係にメスを入れる場合が多いと思いますが、
実はそれは表層的な問題に過ぎず、
根本的な問題は家庭内の人間関係にあるのかもしれない。

 

…親はこれを常に念頭に置き、自らの家庭生活や子育てを振り返ることが大切です。

 

学校の人間関係と職場の人間関係、どっちがラク?

「そうはいっても、職場の人間関係に比べたら、学校なんてラクだろう〜」
…と、お気楽な発言をして
娘さんを怒らせているお父様たちもいらっしゃることでしょう。

 

学校の人間関係と職場の人間関係、
「どちらがラクか?」
という議論はいたるところで繰り広げられてきたわけですが…。
みなさんはどちらがラクだと思いますか?

 

筆者は、圧倒的に、職場のほうがラクだと思います。
なぜなら、「仕事」と割り切ってしまえば良いからです(笑)。
極端な話、仕事さえしっかりやっていれば、
嫌な相手とは付き合わなくても良いわけですから。
(…とはいえ、ドライに行こうと思っても、それを許してくれない上司もいますので、
その辺の兼ね合いが難しいのですが)

 

その職場の人間関係が嫌で耐えられないレベルなら、
いっそ、辞めてしまうという手もあります。
もちろん、結婚していて家族がいたりすると、そこまでは踏み切れないでしょうし、
社会的に「無責任」と批判されてしまうこともあるでしょう。

 

しかし、大人には、子供にはない「自由」があります。
周りに責められようが、経済的に困窮しようが、
本気で逃げようと思えば、なんとか逃げられるわけです。

 

一方、子供たちの狭い世界には、ほとんど逃げ場というものは存在しません。
特に義務教育の間は、やめようにもやめられませんし、
自分で自由に使えるお金があるわけでなし、
小学生が自分で働いて生計を立てるというのも無理な話でしょう。

 

「学校での人間関係には“期限”があるから、その分、ラク」
という考え方もできますが、行動範囲が限られている子供たちにとっては、
その“ほんの数年”は永遠のように長く感じられてしまうのです。

 

子供が学校の人間関係で悩んでいたら、どうか、
「大人に比べたら…」なんて笑って流さないであげてください。
子供の世界は、ある意味では大人の世界よりもシビアなのですから。

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