いじめゼロを目指して

KJQって何?

いじめ関連の心理教育教材として注目を集めているのが、KJQマトリックス
これは、早稲田大学人間科学学術院の菅野純先生と
教育現場に立つ教師が共同で開発した教材で、
「心の土台をしっかり育てること」を目的として実施されます。

 

具体的には、「精神的充足」と、
「社会適応力」の2つの側面から
子供たちの心の状態を視覚的に理解するという教材です。

 

設問は合計57項目あり、家族や友人、教師との関係や彼らに対する思い、
勉強に対するモチベーション、人に認められた体験の有無…等々、
子供たちが日常的に感じていること、悩みなどが表れやすい内容になっています。
(設問例:「自分の気持ちを分かってくれる家族がいます」、「今のクラスは楽しい」
「クラスに居ても自分の居場所がないように感じる」…等)

 

このKJQを使えば、子供たち一人一人のココロの充足状態や
社会的能力を把握することが可能! いじめられている子供の
「SOS」をいち早くキャッチするためのツールとしても有効で、
いじめの早期発見にも役立つと期待されています。

 

フィードバックの重要性

このKJQマトリックスは、「回答しておしまい!」という
よくある単純な心理テストではありません。
回答した後、その結果を本人にフィードバックし、
そこから“自主学習”へとつなげていくことに意味があるのです。

 

自分のココロのエネルギー状態はどうだったのか?
自分の社会的スキルはいかほどか?

 

…大人だって自分自身のことはよく分からないもの。
子供ならばなおさらです。

 

こうした結果を突き付けられてショックを受ける子供もいれば、
素直に受け入れて、より自分自身をパワーアップさせようと
前向きに取り組み始める子供もいるでしょう。

 

KJQマトリックスには、ココロのエネルギーをチャージして
社会生活のスキルをUPさせるための「ワークブック」がついています。

 

フィードバックされた自分自身の現状を踏まえ→
自分自身のココロのレベルを上げる方法を学ぶ。
ここまでやって初めて、KJQマトリックスを実施する意味があるのです。

 

KJQマトリックスから何が分かるか

KJQマトリックスの結果は、実に様々なことを教えてくれます。

 

例えば、社会的問題になっている「いじめ」の存在。
KJQの57個の設問の中には、「臨床尺度」という項目が含まれており、
“心の危機”を迎えているかどうかが分かる仕組みになっています。

 

いじめや非行といった問題を抱えている場合、
この項目に異常が表れるケースが多いため、
いじめの被害に遭っている子供を効率的に抽出することができます。

 

また、57個の回答結果は、横軸に「社会生活の技術」、
縦軸に「こころのエネルギー」をとった
一枚のプロット図(マトリックス)として表すことが可能です。

 

この図を見ると、

 

「こころのエネルギーはどの程度か」
「社会生活スキルはどの程度か」
「こころのエネルギーと社会生活スキルのバランスはどうか」
…といったことを一目で把握することが可能!

 

このマトリックスは、担任以外の関係者が
より深くいじめ当事者のことを理解するためのツールとしても使えますので、
いじめ対策会議の際の参考資料としても役立ちます。

 

菅野純・桂川泰典 『いじめ 予防と対応Q&A』 明治図書 2012
菅野純 『KJQマトリックス』 実務教育出版 2011

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