いじめゼロを目指して

教育相談所ってどんな組織?

いじめ対策についての話題でよく登場するのが、「教育相談所」という組織名。
「教育委員会と何が違うの!?」
…と疑問を感じていらっしゃる方も多いでしょう。

 

教育相談所とは、その名の通り、教育関係の相談を受け付ける施設。
各自治体の教育委員会が設置する組織で、
公立の学校を支援することが主な役割とされています。

 

教育相談所は、基本的には子供や親の相談を受ける組織ですので、
誰でもスタッフになれるわけではありません。

 

相談(例えばいじめ関連)を受けて、その相談内容を一緒に整理することで
解決の道筋を探るという難しい任務を担う仕事。
“ココロの専門家”が相談に当たるのが望ましいため、
一般的には、臨床心理士や教職経験者といった“専門家”が配置されています。

カウンセリングがベース

教育相談所の主な仕事は、子供や保護者の相談に応じ、
問題の解決を目指して一緒にココロの整理をしていくこと。

 

いわゆる“カウンセリング”と呼ばれる過程ですが、
カウンセリングで最も大切なのはあくまでも“本人の気持ち”ですので、
教育相談所のほうから積極的に何かを提案したり
働きかけたりするといったことは基本的にはありません。

 

近年はいじめ問題に関する相談を受けるケースも非常に多いようですが、
教育相談所としてのカウンセリングで最も大切にするのは
「他者への信頼感の回復」

 

クラスメイトに対しても、学校に対しても
強い信頼感を失った状態で相談に訪れる人が多いため、
こうした不信感をどう払拭していくかが
教育相談所のカウンセリングの課題と言えるでしょう。

 

“中立な立場”が解決への糸口を作る

例えばいじめ問題について考えてみた場合、教育相談所は
学校と当事者(いじめ被害者・加害者)の間に中立な立場で存在する組織です。

 

ともすれば学校vs当事者の争いにもなりかねないいじめ問題ですが、
間に教育相談所をはさむことで風通しが良くなり、
解決までの道筋が短縮化されるということもあります。

 

なぜ、当事者同士では解決できないのか?といえば、
やはりそこにはある種の“利害関係”が発生するからでしょう。

 

どんなにきれいごとを並べてみても、どんなに熱心な姿を見せていたとしても、
やはりいじめ問題は、学校にとっては致命傷になりかねない問題。
できれば認めたくはないでしょうし、隠せるものなら隠したいわけです。

 

しかし、保護者はそんな無責任は“逃げ”は許しません。
徹底的に事実関係を追求し、とことんまで学校側に責任を問い続けるでしょう。
両者は、どうしたってぶつかりあう構図になっているのです。

 

しかし、間に教育相談所というクッションをはさむことで、
両者の感情的なぶつかり合いを避けることができるようになります。

 

保護者の感情を逆なでしないためには学校側としてどう対応すべきか、
いじめ被害者・加害者に対してどう接するべきかなどを
心理学のプロにアドバイスしてもらえるわけですから、
学校側としては自分たちの対応力のマズさをフォローしてもらえることになりますよね。

 

一方の保護者側も、学校側にまともに相手にされなかったことに対する不満や
不安、不信感を、教育相談所に相談することでいくらか払拭することができます。

 

人の怒りというものは、「わかってもらえた」「受け入れてもらえた」
という感覚を味わうと、グッと収まっていくものです。
教育相談所によるこうしたケアが、関係者の溝を埋め、
いじめ問題解決に向けての協力体制を強化することに繋がっていくのです。

関連ページ