いじめゼロを目指して

いじめの背景にある環境要因とは

人は誰でも、なんだかんだ言っても自分自身が一番大切です。
だからこそ、自分の立場が危うくなれば人を攻撃しますし、
少々卑怯な手段を使っても自分を優位に立たせようとします。

 

これは、弱肉強食の動物の世界においては、ある意味では仕方がないこと。
動物の世界は常に「食うか・食われるか」の戦いが繰り広げられており、
「みんな仲良く」なんて生ぬるいことを言っていればあっという間に殺されてしまいます。

 

…しかし、人間の世界には“社会”や“コミュニティ”があり、
そんな攻撃本能をむき出しにして暮らしている人はほとんどいません。
それは、攻撃本能をコントロールするための「共存能力」があるからです。
人は、互いに攻撃し合うよりも、
共存して生きたほうが自分にとっても有益であることを本能的に知っているのです。

 

ところが、このコントロール能力が十分に身についていない子供は、
人を攻撃することで自分自身を守るいじめ行為を止められません。

 

その背景には、環境的な要因が密接に関係していることが多く、
その要因を取り除くことがいじめの解決にもつながっていきます。

 

環境要因としては、子供のフラストレーションを蓄積させる家庭環境や、
いじめを見過ごしがちな学校環境、
いじめを助長する社会環境…などによる影響が考えられます。

いじめ加害者側の問題とは

いじめが発生する要因が、子供自身にある場合もあります。

 

例えば、共感性やコミュニケーション能力が未熟な子供、
心に強いストレスを抱えている子供、目標や充実感がなく自分に自信が持てない子供、
自分を否定的に捉える傾向が強い子供、周りの人間に対して不信感を持っている子供

このようなタイプは、いじめの被害者になりやすい傾向があるようです。

 

「相手をいじめることで自分を肯定したい」
「自分の強さを確認したい」
「自分の存在意義を示したい」

 

…こういった身勝手な理由で、いじめ行為を自己正当化しているケースも多いもの。
自分自身の自信のなさ、立場の危うさを、人を貶めることで確認するというわけです。

 

これに対して、いじめの被害者になりやすい子供にも特徴があります。
例えば、コミュニケーション能力が未熟で自分の気持ちを伝えられない子供、
目立ちたがり屋で人の反感を買いやすい子供(いわゆる“KY”)、
社交性に乏しく他の子供と打ち解けるのが苦手な子供。

 

もちろん、一方的に相手の心身を傷つける行為は
絶対に許されるものではありませんし、
「やられる方も悪い」などという加害者側に都合の良い論理も成り立ちません。

 

しかし、被害者側になり得る要因があることもまた事実。
加害者側を擁護するつもりは全くありませんが、
これは、いじめを理解する上で必要な視点です。

 

要因は社会にもある?

いじめが発生する要因は、社会にもあります。

 

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例えば、ここ数年、深刻な社会問題になっているネットいじめ
これは、インターネットの掲示板(学校の裏サイト)や携帯のメールなどを使った
新しいタイプのいじめですが、
情報社会がここまで発展しなければこんな陰湿ないじめも発生しなかったことでしょう。

 

ネット上でのやりとりは匿名で行われることも多いため、
誰が加害者なのか、それさえ特定できないケースも多いのです。

 

他人のアドレスを使ってメールを送信する「なりすましメール」を使ったいじめも多く、
友達を信じられなくなって人間不信に陥る子供も増えています。

 

また、少子化社会が進んだことや、地域社会の関係が希薄になったことにより
子供が親以外の子供と接触する機会が減ったことも要因の一つ。
一人っ子で育つ子供が多いため、子供同士のケンカの仕方が分からなかったり、
そこまでやれば相手が傷つくのかが分からなかったりする子供も増えています。

 

いずれにしても、社会的な要因はいまさらどうにもならないものも多いでしょう。
その部分を、家庭や学校でいかにフォローしていくかが
今後の大きな課題といえそうです。

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