いじめゼロを目指して

“犯罪”になり得るいじめ行為

いじめ=単なる子供のケンカ、いたずら…などと軽視していてはいけません。
子供のいじめも、内容によっては立派な犯罪行為になります。

 

例えば、殴る・蹴るなどの暴力は、暴行罪(刑法208条)。
金品を強要するのは恐喝罪(刑法249条)。
電話やメールによるいやがらせで精神的苦痛を与えれば傷害罪(刑法208条)。
ネット上にあることないこと書き込みするのは名誉棄損罪(刑法230条)。
「死ね」「失せろ」「消えろ」といった言葉で相手を脅かすのは脅迫罪(刑法222条)。

 

…このように、子供たちがおもしろがってやっているいじめ行為も、
法律に照らしてみれば確かに犯罪に該当するのです。

 

その自覚がないままいじめ行為を行っている子供たちが、なんと多いことでしょう!
これからのいじめ教育では、いじめと犯罪の関係についてもしっかり教えるべきです。

 

もちろん、すでにそういった取り組みを行っている学校もあります。
例えば、鹿児島県のいちき串木野市立串木中学校では、
裁判の判決文を使っていじめ防止教育を行っています(この場合は民事訴訟ですが)。

 

どのような行為が“いじめ”と判断されるのか、
どのような行為が“犯罪”と判断されてしまうのか、
“法律”という絶対的な基準を元に説明すれば、
子供たちも否応なしに納得せざるを得ないでしょう。

 

参考:
読売新聞 『いじめと向き合う12』 2012年11月8日朝刊

“犯罪”と認められるとどうなるのか

では、もし、いじめ行為が「犯罪だ」と判断された場合はどうなってしまうのでしょうか。

 

ここで、よく議論のテーマに挙げられる“年齢”の壁が出てきます。
同じ犯罪行為を犯しても、年齢14歳以上であれば「犯罪少年」とみなされ、
刑事責任を問われます。

 

一方で、年齢が14歳未満であれば、
「触法少年」に分類されて刑事責任は問われないのです。

 

これは、14歳未満は少年法よりも児童福祉法のルールが優先されるため。
ゆえに、この「14歳」という年齢が
その子供の運命を分ける一つの境界線になっているのです。

 

…とはいえ、「14歳未満は刑事責任を問われないから」という理由で
犯罪行為をしても許されるのかといいえば、そうではありませんよね。
教師や保護者は、たとえ年齢がいくつの子供であったとしても、
いじめ行為は犯罪であることをしっかり教え込まなければなりません。

 

「道義上、いけないことだ」と分かっていても、
法律上もいけないことなんだとしっかり認識している子供たちは
少ないのではないでしょうか。

 

警察と学校の連携

恐喝や窃盗、傷害といった刑事事件に発展するいじめ行為も珍しくない昨今。
最近では、学校と警察が連携していじめ対策を行っているところも多いようです。

 

少年犯罪の担当窓口である「少年課」と学校側とが密接に連絡を取り合いながら、
犯罪行為を起こす危険性のある児童生徒に対しては警察が指導する場合もあります。

 

また、最近では、退職後の元警察官が「スクールサポーター」として
学校に常駐しているところもあり、話題になっていますね。
生徒同士のケンカを仲裁したり、問題行動が目立つ生徒を指導したり…と、
学校内の治安維持に大活躍しているようです。

 

確かに、いくらいじめっこといえども、警察には頭が上がりませんよね(笑)。
犯罪防止のための、学校と警察の二人三脚。
なんとも心強い取り組みですよね。

 

参考:
読売新聞 『いじめと向き合う6』 2012年10月26日朝刊

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