いじめゼロを目指して

小学1年〜4年レベルのいじめの特徴

小学校低学年〜中学年は、ちょっと生意気な言動をしていてもまだまだ子供。
自分の気持ちを抑えることができなかったり、
相手の気持ちを想像できなかったり、
うまく友達の輪に入っていけなかったり…と、社会性の学びが未熟な段階です。

 

この段階では、いじめの構造も比較的シンプル。
教師や親から見ても分かりやすく、初期の段階でいじめを発見することができます。

 

「○○君にぶたれた」「○○君に物を取られた」
「○○ちゃんに悪口を言われた」「○○ちゃんに無視された」

 

…といった訴えが多いのが、この年頃のいじめの特徴です。
いずれも自己中心的な動機に端を発しているケースが多いようですね。

 

教師がしっかりと児童に向き合って話を聞き、
他者との関わり方を教えていくことが解決への近道と言えるでしょう。

 

小学校低〜中学年のいじめは集団ではなく1対1のトラブルがほとんどで、
それも一時的な感情のすれ違いが原因になっていることが多いので、
いじめの根っこに辿りつくのはそこまで難しくないと言えるでしょう。

 

小学5年〜6年レベルのいじめの特徴

小学校も高学年になってくると、いじめも様変わりしてきます。
中学年までは、児童のほうから教師に相談にくるケースも多いのですが、
高学年になるとそれはほとんどなくなってきます。

 

その理由の一つは、子供たちにもプライドが出てくるからです。
いじめられている子供は、いじめられている自分を恥ずかしいと捉え、
いじめを認めようとしなくなります。

 

また、周りの子供たちにも、「大人は信用できない」といった考え方が芽生え、
いじめがあったとしてもそれを大人に報告することはなくなってくるでしょう。
ゆえに、いじめの存在に気付きにくくなってしまいます。

 

二つ目の理由は、教師や親の目の届かないところでいじめが行われるようになること。
単なる1対1のトラブルではなく、集団で一人をターゲットにするケースも増え、
クラスぐるみでいじめを隠そうという動きも出てきます。

 

いじめの中身としても、トイレに相手の物を捨てたり、運動着や教科書を破ったり、
「○○さんがこんなことをした」と教師に嘘の報告をしたり。

 

最近では携帯電話やPCを使ったネットいじめも増えており、
小学校といえどもいじめの手口は徐々に悪質になっているのが現実です。

 

教師は、授業中だけではなく休み時間や放課後の教室の様子もまめに観察し、
教室内で起こっていることを正確に把握するよう尽力すべきです。

 

小学校高学年になると、わるふざけで教師をからかう児童も出てきますので、
何か真実で何が真実でないのかを見極める“目”も必要になってくるでしょう。

 

仲裁役は子供に任せてみよう

小学校のいじめの場合、ともすれば教師が間に入って話をまとめてしまいがち。
しかし、小学校低学年のうちから
児童同士の問題は児童同士で解決するという意識を育てることが大切です。

 

例えば、AさんとBさんの間でトラブルが発生した場合。
教師が間に入るのではなく、そこにCさんという中立の立場の児童を交えて話し合い、
「AさんはBさんにどうして欲しかったの?」
「Bさんは、こういう風に感じたんだよね。Aさんはそれを知ってどう思う?」
…という具合に仲裁をさせてみるというもの。

 

どちらの味方につくこともなく、中立な立場で双方の話を聞くというのは
大人でさえも難しいスキルが要るものですが、
小学校低学年のうちからこういった練習をしておけば
人間関係の加減や許し、妥協、共感、仲直りといった
ソーシャルスキルが自然と身に付きます。

 

最初は難しいと思いますが、教師がお手本を見せて根気強く取り組むことが大切。
これは、「ピア・メディエーション」という仲裁手法。
こういった手法を小学校低学年のうちから身につけておけば
相手に対する共感性や問題解決技法を学ぶことができ、
高学年になってからの陰湿ないじめを予防することにもつながってきます。

 

参考:
読売新聞 『いじめと向き合う』 2012年10月31日朝刊

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